EnOceanセミナー#2:バッテリーレス無線センサー技術でわくわくドキドキ!Q&A

7月15日の ALGYAN オンラインセッション「EnOceanセミナー#2:バッテリーレス無線センサー技術でわくわくドキドキ!Q&A」で頂いた Q&A をまとめました。

Q. EDK400J EnOcean 評価キットの使い方に関するサイトとかセミナー
A.
EDK400J には以下のユーザーマニュアルのハードコピーが同梱されていますが、これだけでは理解し難いのが現実です。

https://www.enocean.com/en/products/enocean_modules_928mhz/edk-400j/user...

株式会社デバイスドライバーズでは2009年から、EnOcean GmbHの協力と要請により、EnOcean 評価キット(EDK400Jの前のバージョン)の日本語マニュアルを作成するとともに、評価キットを使用した1日コースの実習セミナーを何十回と開催して来ています。日本語マニュアルは評価キットやツール類の進化に合わせて更新してきており、それの最新版を下記株式会社デバイスドライバーズ運営の E-Kit オンラインショップで販売していますので、ご利用ください。

http://e-kit.jp/products/EnOcean/EDK400J-CD

Q. Wifiのバースト伝送とコリジョンが起こることは想定できるのですが回避策はありますか?
A.
2.4GHxz / 5GHz DS 方式の WiFi 通信と、928.35MHz FSK 方式で40バイト程度の100msec間隔散発垂れ流しのEnOceanに関して、例えWiFi がバースト伝送を行っている場合であってもコリジョンが起こるという話は聞いたことがありません。過去に、世界レベルで様々なEnOcean無線通信のトラブル事例を聞いたことがありますが、WiFi との干渉、さらにはコリジョンとの報告は一つもありません。従って特にWiFi向けの回避策などは用意していません。

日本の場合には特に、総務省が928.35MHz のサブギガ帯をEnOcean専用に割り当てているため、違法電波でない限り他のサブギガ帯通信との干渉もありません。参考情報ですが、BluetoothからEnOceanに乗り換えたお客様、ZigBee系からEnOceanに乗り換えたお客様のお客様方から、
無線のトラブルや干渉が一切無くなって安定したという話は良く聞きます。

Q. コンテスト、マルチセンサーじゃなくて、シンプルなやつを使うのはありですか。
A.
申し訳ございませんが、今回のコンテストはマルチセンサーの販売キャンペーンですので、マルチセンサーの利用が必須です。ただしマルチセンサーと言っても全てのセンサー機能を使用する必要はありません。例えばスマホ等のNFC設定により、次の9種類のうちのいずれかのセンサーとして利用することが可能です。

  • D2-14-41 温度(-20~60℃ 10bit),湿度,照度(0~100000lx 17bit),加速度,コンタクト
  • D2-14-40 温度(-20~60℃ 10bit),湿度,照度(0~100000lx 17bit),加速度
  • A5-02-05 温度 (0~40℃)
  • A5-04-01 温度 (0~40℃), 湿度
  • A5-04-03 温度 (-20~60℃ 10bit), 湿度
  • A5-06-02 照度 (0~1020lx 8bit)
  • A5-06-03 照度 (0~1000lx 10bit)
  • A5-14-05 バイブレーション検知
  • D5-00-01 マグネット・コンタクト

マルチセンサーをこれらの中で、例えばA5-02-05に設定すれば単純な温度センサーとしてだけ利用することができますし、D5-00-01に設定すれば開閉センサーとしてだけしか利用できません。セキュリティー機能も無効にできます。現在市販されている単機能のこれらセンサーよりも安価でもあり、十分シンプルに利用できます。

Q. NTT様のEnOcean 対応ゲートウェイの型番(実績があるおすすめのやつ)をご教示いただけませんでしょうか?
A.
下記のNTT東日本のフレッツ・ミルエネ サービスの電力量計測器セットで、EnOceanの電力量計測器(無線通信型センサー)と受信機(USB400J相当品)を契約することができます。実際にはNTT東日本提供のゲートウェイのUSBホストコネクタにUSB400J相当の受信機を装着して利用する方式になります。

https://flets.com/eco/miruene/

Q. サンプルプログラムソースの構造
A.
7月15日のデモ&ハンズオン1.で使用したプログラム(EnOceanSample)は下記です。主コード部(MainWindow.xaml.cs)はCRC計算やGUIインターフェースを含んで、712行のシンプルなWPFプログラムです。起動時に、テレグラムフィルターの設定とロード、メインスレッドでテレグラム受信時のデータの解析と表示のループ、Teach-Inテレグラムの受信と表示を行っています。

シングルスレッドの単純な構成なので、Arduino/ ESP32やmbed等にも移植はし易いはずです。ただしUSB400Jを接続する方法など、EnOcean無線電波を受信する手段の工夫は必要です。

EnOceanWindowsSamples/SimpleSample/

https://github.com/ahidaka/EnOceanWindowsSamples/tree/master/SimpleSample

デモ&ハンズオン2.では、市販のゲートウェイに搭載している、Linux上で動作する DolphinRideプログラムを使用しました。このプログラムはマルチスレッドで動作し、EEP/GPプロファイル、EnOceanセキュリティー、テレグラム・チェーンに対応した本格的なものです。9月19日のハンズオンセミナーでは、基本的にこのプログラムをベースに使用して実習を行う予定です。eolib.a ライブラリのバイナリーを公開しています。

EnOceanGateways/DolphinRide/

https://github.com/ahidaka/EnOceanGateways/tree/master/DolphinRide